国立や私立中学の国語とは違い、出題される文章は比較的短い代わりに、「筆者の主張は何か」「その主張に対する考えを自己の体験と紐づけて記述する」ことが求められています。分量は400字程度。45分中最後の5分を確かめに充てるとしたら、大問1には20分しか費やせません。筆者の主張となる部分はどこか、その中でキーワードは何かを見出しながら確実に文章の中に入れ込む。自己の経験から筆者の主張と重なる経験を思い出し、最終的に400字で分かりやすい構成にしながら誤字脱字に注意しながら20分でマス目を埋めるためにはかなりの準備が必要となります。また、国語の長文読解問題は大きく「説明文」と「物語文」に分けられますが、叡智の過去問ではすべて「説明文」が出題されています。「物語文」が出題されないとは言い切れませんが、時間を費やすなら「説明文」中心に取り組むのことが効果的だと考えます。
対策
これまでの叡智受験で出題された出典と筆者の主張、およびテーマは次の通り。グローバル人財のに求められるコンピテンス(能力)、およびIB教育のテーマを題材としたものばかりだということがわかります。
平成31年度『虫食む人々の暮らし』/個人の価値観を標準化しない/多様性
令和2年度『生き物と向き合う仕事』/違和感を覚えて自分を変える/成長
令和3年度『里という思想】』/言葉の国際化がローカル性を破壊/国際化
令和4年度『先生はえらい』/問いを発することが学びの根源/学び
令和5年度 震災復興ポスターの読み取り/メッセージの読み取り
令和6年度 環境問題に関する2つの文の読み取り/環境問題
令和7年度 本のキャッチコピー考案/対話文読み取りと
1)筆者の主張の読み取り
叡智の過去問では筆者の主張を読み取ることが求められます。国立や私立中学受験では長文読解で記号選択問題や書き抜き問題が出題される傾向にあり、テクニックで点数を向上させることも可能ですが、そればかりをやっていると「木」は読めるが「森」を読み解くことができなくなる可能性があります。各段落で最も重要なところはどこかを線引きし、中で共通に書かれてある単語を見出しながら、線を引いたところを構造化する訓練が必要になります。
2)文章添削100本ノック
筆者の主張を100字にまとめると、後半の自身の体験談との紐づけには300字記述する必要があります。記述に慣れていないと、書き出して最後のマス目が埋められなかったり、その逆にマス目が足りないという事態が起こります。まずは自己のどの体験と筆者の主張を紐づけるのか、何を伝えるのか、書く順番はどうするか等、パーツを書き出し組み立てる作業が必要となります。その際に注意しなければならないのが、主語と述語の関係、一文の長さ、誤字脱字と読みやすさです。国語の読解記述に特効薬はありません。時間をかけて計画的に取り組む必要があります。佐々木ゼミでは、本人の添削も含め、他の友達の文章も添削することでトータル100回以上の添削を経験することとなるため、圧倒的な記述力を獲得することができます。
※画像は読解添削の個別指導の事例(別料金)