これまでの叡智学園の適性Bは、大問2問を出題し、それぞれの問題で400字~600字程度の記述を課す傾向があります。適性Aは傾向があるとはいえ、出たとこ勝負の感があります。生徒によって得意不得意問題もあるでしょう。しかし適性Bはパターンがあるので下記のような対策をとっていれば、最低80点、90点以上も十分狙えます。まずは適性Bで確実に80点をとれる準備をすることが重要です。

大問1 読解問題

国立や私立中学の国語とは違い、出題される文章は比較的短い代わりに、「筆者の主張は何か」「その主張に対する考えを自己の体験と紐づけて記述する」ことが求められています。分量は400字程度。45分中最後の5分を確かめに充てるとしたら、大問1には20分しか費やせません。筆者の主張となる部分はどこか、その中でキーワードは何かを見出しながら確実に文章の中に入れ込む。自己の経験から筆者の主張と重なる経験を思い出し、最終的に400字で分かりやすい構成にしながら誤字脱字に注意しながら20分でマス目を埋めるためにはかなりの準備が必要となります。また、国語の長文読解問題は大きく「説明文」と「物語文」に分けられますが、叡智の過去問ではすべて「説明文」が出題されています。「物語文」が出題されないとは言い切れませんが、時間を費やすなら「説明文」中心に取り組むのことが効果的だと考えます。

対策
これまでの叡智受験で出題された出典と筆者の主張、およびテーマは次の通り。グローバル人財のに求められるコンピテンス(能力)、およびIB教育のテーマを題材としたものばかりだということがわかります。

平成31年度『虫食む人々の暮らし』/個人の価値観を標準化しない/多様性
令和2年度『生き物と向き合う仕事』/違和感を覚えて自分を変える/成長
令和3年度『里という思想】』/言葉の国際化がローカル性を破壊/国際化
令和4年度『先生はえらい』/問いを発することが学びの根源/学び
令和5年度 震災復興ポスターの読み取り/メッセージの読み取り
令和6年度 環境問題に関する2つの文の読み取り/環境問題
令和7年度 本のキャッチコピー考案/対話文読み取りと

1)筆者の主張の読み取り
叡智の過去問では筆者の主張を読み取ることが求められます。国立や私立中学受験では長文読解で記号選択問題や書き抜き問題が出題される傾向にあり、テクニックで点数を向上させることも可能ですが、そればかりをやっていると「木」は読めるが「森」を読み解くことができなくなる可能性があります。各段落で最も重要なところはどこかを線引きし、中で共通に書かれてある単語を見出しながら、線を引いたところを構造化する訓練が必要になります。

2)文章添削100本ノック
筆者の主張を100字にまとめると、後半の自身の体験談との紐づけには300字記述する必要があります。記述に慣れていないと、書き出して最後のマス目が埋められなかったり、その逆にマス目が足りないという事態が起こります。まずは自己のどの体験と筆者の主張を紐づけるのか、何を伝えるのか、書く順番はどうするか等、パーツを書き出し組み立てる作業が必要となります。その際に注意しなければならないのが、主語と述語の関係、一文の長さ、誤字脱字と読みやすさです。国語の読解記述に特効薬はありません。時間をかけて計画的に取り組む必要があります。佐々木ゼミでは、本人の添削も含め、他の友達の文章も添削することでトータル100回以上の添削を経験することとなるため、圧倒的な記述力を獲得することができます。

※画像は読解添削の個別指導の事例(別料金)

大問2 グラフの読み取り

叡智の適性B大問2は、令和2年度以降、解答用紙の前半で複数の資料から読み取れることと課題を抽出し、後半で前半で読み取った課題の解決法を記述する問題が出されています。大問1同様、20分で400字程度を埋める作業は相応の訓練を必要とします。

対策
これまでの叡智受験で出題された出典と筆者の主張、およびテーマは次の通り。グローバル人財のに求められるコンピテンス(能力)、およびIB教育のテーマを題材としたものばかりだということがわかります。

平成31年度「高齢化社会」/アンケート調査をもとに街づくりの提言
令和2年度「持続可能な社会」/発電方法と二酸化炭素の排出量
令和3年度「水問題」/水の使用量と世界の水事情
令和4年度「食品ロス」/問いを発することが学びの根源/学び
令和5年度「持続可能な社会」/地域別食品廃棄量と政府開発援助
令和6年度「まちづくり」/大崎上島の資料を基に街の魅力化提言
令和7年度「イラスト評価」/日本の歴史における海外との交流イラストを基に記述

1)SDGs教養の獲得
ご覧になってお分かりの通り、グローバル人財の育成を謳う叡智学園らしく、過去に扱ったテーマの多くがSDGs関連のテーマになっています。グラフの読み取りには、少なくともSDGsの掲げる17の目標の背景にある問題と課題を理解しておく必要があります。背景理解があると、グラフや表が示す問題を効率よく読み解くことができます。同時に、それら17の目標達成のための課題に対する解決策も考えておく必要があります。

2)記述パターンの習得
グラフの読み取りには「型」があります。まずはこの「型」を手に記憶させることが必要です。また、後半の課題解決の記述内容は、前半で抽出した課題に対応する必要があります。

3)単位の読み取り
グラフの読み取りでケアレスミスを犯すパターンとして、単位の読み間違いがあります。例えば経年変化で一つの項目が増えたり減ったりすることを読み取る問題では、母数の増減を読み間違えたために誤答となるケースが多く見受けられます。学習したての頃は、1度や2度は必ずこのような間違いを犯します。早期からグラフの読み取りに慣れておく必要があります。

※画像はグラフ問題の個別指導添削の事例(別料金)

新傾向問題

適性B問題の令和5年度はポスター問題、令和6年度は環境メッセージ問題、令和7年度は本のキャッチコピーと説明やイラストから読み解く日本外交の特徴など、それまでの文章読解とは傾向が全く違う問題が出されました。令和5年度の大問1は1枚のポスターを見せながら「表現の工夫とその効果」について書かせ、令和6年度の大問1は、「G7 札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合」に向けて寄せられた倉本聰氏のメッセージと詩人宮澤章二氏の「行為の意味」との相違点や表現の工夫を書かせるものでした。文字数的にも400字程度と従来の問題で問われている分量と変わりませんでしたが、令和7年度の本のキャッチコピーとその説明では、おおよそ1000字ほど記述できるスペースがあったとの報告を生徒から受けています。受験生ばかりか塾や学校もだれも予想しなかった問題です。技術的な点数アップの訓練しかしていない生徒はお手上げだったと想像します。

佐々木ゼミでは日ごろからソクラテス対話で生徒たちの論理的思考や創造力を育む訓練をしているので、試験終了後も適性Bについては全員が8割以上とれたと自信をもって答えてくれました。佐々木ゼミではこのような新傾向問題でも対応できるよう、広告問題をはじめ自由度の高い問題に多数取り組ませ、新傾向問題への免疫力を高めています。

※画像は、新傾向問題を想定した問題事例

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